対話型鑑賞プログラムレポート
【対話型鑑賞プログラムレポート①】

去る2017.6/4。

「à la folie」
浅見俊哉 作品展の関連企画として「対話型鑑賞プログラム」を開催しました。

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今回は演劇的手法を用いたWSファシリテーターの胡糸さんと連携し、胡糸さんには対話型鑑賞プログラムに入る前の導入をしてもらいました。

導入では2つのゲームを行いました。

①じゃんけんゲーム

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始めに多くの人とじゃんけんをして5回勝ったら座るというゲームを実施。
次に5回負けたら座るルールにすると勝ってしまって喜んでしまう参加者がとても多く笑い声が生まれていた。

②拍手回し

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次にリズムをキープしながら隣の人に拍手を回すゲームを実施。
皆うまく出来たので、最初は一方向だけだったけれど、自分で回す方向を変えてやってみます。
さらにレベルアップして、数をいう人が2!といったら2人で拍手をしてリズムよく回して行く。
何回か間違える人もいる中、「うまくいく為にはお互いのアイコンタクトがとても大切であり、失敗が笑顔をつくっていくから失敗は成功なんです」という胡糸さんのアドバイス。

その言葉から失敗をしても大丈夫なんだという意識が広がり、場がやわらかくなった。

最後に1〜7までの数字に合わせて回し、7のときだけシェーのポーズをしてまわすというルールで実施。

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数周すると、さらにレベルが上がり3の時にちょびひげぽーず、5の時はおなかでサインのポーズでまわして行く。

ポーズをとる時には皆笑顔になり、はじめましての人たちの表情もとても和やかになった。

そして、胡糸さんからバトンタッチされ、対話型鑑賞のプログラムのスタート!!

以下は、その時のトークのやり取り。

番号は参加者、Aは浅見を表す

                                                                 



A:今日は作品の見方には様々あるけれど、知識で見る作品の見方ではなく、皆でお話ししながら作品を見て行く「対話型鑑賞」という方法で作品をみたいとおもいます。

今日ははじめにこの作品を観て行きます。

はじめにこの作品の周りを作品を観ながら3周まわって観てください

ぐるりと作品のまわりをまわる

それでは座ってください。

今日は作品をみる時に3つの約束を守ってください。

1つめは、大きな声で話す

みんなと作品をみてかんじたことや考えた事を共有するためです。

2つめは、短い言葉で話す

作品を説明するとき、言葉がとてもながくなってしまうけれど、多くの人の意見を聞く為に短く話してください。

3つめは、人の意見をしっかり聞く

自分だけではない意見を聞いて作品をみることがとても大切です。

では、作品を観て行きましょう!

さきほどは周りながら作品をみたけれど、次は1分間その場でじっくりと作品を観てください。

【1分じっくりと作品を観る】

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A:意見を言う時は手を上げてください。では始めます。

A:これはなんだろう?

1:水だと思います。

A:どのあたりを観てそうおもいましたか?

1:このあたりの波紋の感じで水だと思いました

A:ありがとうございます。他にありますか?

2:溶けた金属の様にみえます。

A:どのあたりを観てそうおもいましたか?

2:白いところのあたりを観てです。

A:ありがとうございます。他にありますか?

3:白い液体をこぼした様に感じました。

A:どのあたりを観てそうおもいましたか?

3:手前のあたりを指差しながら、このあたりを観てです

A:ありがとうございます。他にありますか?

4:雨が降ったみたい!

A:いい意見ですね!どのあたりを観てそうおもいましたか?

4:このあたり。

A:波紋の中心あたりを観てそう思ったんだね。

A:ありがとうございます。他にありますか?

5:波紋みたいにも見えるんですけれど宇宙の様にもみえました。

A:どのあたりを観てそうおもいましたか?

5:このあたりの、、、黒いところがだんだん目に迫ってきて、なんだか黒のところに星がある様にみえてきた。

A:ありがとうございます!面白いですね!先ほど白い場所をみて、何かをこぼしたみたいという意見がでましたが、今度は黒い場所をみての意見ですね。

A:ありがとうございます。他にありますか?

6:上から見た山!

A:どのあたりを観てそうおもいましたか?

6:一番思うのは、火山みたいで、ここが火口にみえて、白いところは雪にみえた。

A:面白いですね!他にありますか?

1:天気予報にみえた!よくニュースで天気図でみるようなやつです!

一同:おおーーー!!

A:面白い見方ですね。どのあたりを観てそうおもいましたか?

1:この円のあたり。テレビでよくみるような図にみえます。台風のような。

A:面白いですね!テレビの映像の様にも見えてきた訳ですね。他にありますか?

3:このあたり、昔よくはやったカブトガニのようにみえました!

一同:笑い!!

A:生き物の様に見えたのですね!

3:クラゲのようにもみえます!

4:本当だ!ここが一番くらげみたい!!

A:面白いですね!雨のようにもみえたり、クラゲの様に見えたり、火山の様にみえたり、宇宙にもみえていますね。

2:このあたりは、火にみえる

一同:おおーーー!!

4:青い炎って一番熱いんだよね!

6:良く知ってるねー!!

A:さっき一番最初に1さんが水って言ってくれたけれど、火にも見えてきたね。水と火のイメージは割と対極にありそうなものが同じものをみてみえてきたのは面白いですね。他にありますか?

7:はい!ヨーグルトにブルーベリーのソースをこぼした様にみえます。

一同:爆笑!!

A:今日の朝食だったのかな?どの辺りがそう見えますか?

7:この辺りです。

2:これ自体もブルーベリーに見えますね。

一同:笑い!

A:この大きさなら、ブルーベリーをすごく拡大してみた様なイメージですね。
いろいろな視点からみてる意見がでてきましたね。先ほどの火山や台風、宇宙はとても高いところから見ている様な視点。
ブルーベリーはすごく拡大しているみたいな見方ですよね。面白いですね。他にありますか?

8:レントゲンのようにみえます

一同:おおー!

A:面白い見方です。どのあたりを観てそうおもいましたか?

8:1つに焦点を当てずに全体をみたとき、そう見えます。

4:レントゲンって何??

3:骨とかを透かして写した写真だよ

7:はい!!この辺りが赤ちゃんのエコー写真のようにみえます。

この円の中に赤ちゃんがうつっているみたいです。

A:少し視点がまた変わりましたね!先ほどの上からの視点と拡大した視点。
今出た視点は、透過してみた視点ですね。とても面白いです。

A:それでは、この作品はもうひとつの見方があって、上に乗っても観ることが出来ます。
では、上に乗ってみて作品をみてみましょう!

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(約2分間作品の上に乗って鑑賞)

4:内蔵とかのうみそみたい!

4:あっここ目玉にも見えるよー

2:ここは、ミズクラゲみたいだ

3:本当だね

4:前にパパがスコップですくって投げたよね!

2:確かキャンプの時かな

A:それでは、またいまのところから作品の周りに座ってみてみましょう!

4:ここが目玉に見えたーー!

A:なんの目玉だろう??

4:わからない!

A:他にありますか?

1:はい!ここが雲の様に見えます!!

A:最初に見えた台風とかの意見と繋がってきますね!ありがとう!他にありますか?

6:このあたり、カリフラワーみたいに見えるなぁ

4:食べたいの??

一同:笑い

6:カリフラワーよりブロッコリーの方が好きかなー

一同:笑い

A:面白いですね。複雑な形がカリフラワーの様にみえたのでしょうか?

6:そうそうそう!白っぽいもさもさもさっていう感じがカリフラワーのようにみえる
脳みそとかとおなじような発想かなー?複雑なかたちが集まっているから。

3:上に乗ってみて、このあたりが石の上に乗っかっているみたいに感じました。石の断面のような。。。

A:いいですね!最初に金属を流した様なという意見がでましたが、水の質感と金属の質感、石の質感。それぞれ違いますね。

6:液体から個体へかぁ。。

2:こっちの方が岩盤で水が流れて行っているみたいに見えますね。

A:とてもおもしろいですね。その辺のイメージは何から感じられましたか?

2:色の濃さの違いかな、、、

A:なるほど、先ほど黒いところで宇宙だと言っていたところが岩盤のようにみえたのですね。他にありますか?

4:ここは脳みそにみえました!

A:さっき上を乗っている時にいっていたね。脳みそってことは上から撮影したのかな?さっきの赤ちゃんのエコー写真っていう意見があったけれど、その時は身体のおなかの前あたりから撮影するから撮影する時の視点も様々にみえてきたのですね。

1:これが赤ちゃんっていう意見があったのだけれど、こっちは赤ちゃんになる前の受精の段階に見えます。

一同:おおーーー!!!

1:ここがおおきな卵子にみえて、ここ(白いところ)は、それを取り囲む様な精子にみえます。何枚かの写真で、ちょっと物語みたいな感じがあるのかも

2:確かに。隣り合う写真どうしが繋がり合っている様に見えます。

A:面白い意見ですね。先ほどの卵子と胎児の物語や、岩盤から水が流れているというように、一枚一枚の写真ではなく、数枚の写真のを見てその関係性や構成、並び方について見ていますね。他にどうでしょうか?

5:座って見ている時はある程度全体をみることができたけれど、上から見ると一枚に注目する様にみえてきた。
この部分がカエルにみえたり。。

3:一点に注目してみてみたのですがそうするとゴーストの様に見えてきました。目や口があって。

【8さんが途中から参加】

4:皮を剥いた時の葡萄の筋にも見えてくるね、瑞々しさや繊維が。

A:ぐっと一枚に寄ってみていくと細かいところまで見えてきますね!他にありますか?

3:はい!最初は上から見た波紋の様に見えたのですが、じっくり見て行くうちにこれは水中から空を見上げた様に感じてきました。

4:そうなの??上から見ていたんだ!自分はずっと下から見上げて泡がボコボコでているっていう発想だった。

7:僕も下からみていたように感じていました!

A:面白いですね!先ほど雨という意見がでましたが、自分の背丈ほどの高さからみていたり、衛星が捉えた雲の様にみえたり、とかなり上からの視点でみていましたが、視点の方向性が下からとなるとみている方向性が逆になりますね!他にありますか?

8:宇宙からみた地球ぽいです!

A:どのあたりをみてそう思いましたか?

8:この辺りかな、雲や海にみえます。

7:そうそう!茶色っぽいのも写っていてここに土を感じます。

A:宇宙から見た地球というとさらに上からの視点になってきますね。とても面白いですね!

7:はい!例えばですけれど、ゼリーに自分が埋まったとしたらこうした景色がみえてくるのかなと思いました。
この辺りは、自分の息の泡の様です。スプーンが入ってきて空気が入ってきているようです。

4:ここにはカエルの赤ちゃんがいるよ!

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一同:どこどこ?

4:ここ!

A:どうしてどう感じたの??

4:ここの形がしっぽのようにみえた。大人のカエルはこっち!

A:そうかそうか!さっき人間の胎児の物語と、今の物語はとても似ているね。
人間の胎児も人間のかたちになるまでには、生物の成長の段階でとても似たかたちをしていますよね。
つながっていますね。他にありますか?

3:全体的に寒くて氷が張った様にも見えてきました。

A:いいですね!先ほどは流れている水という動きをかんじている意見がでました。
今の意見は固まっているようなイメージの意見ですね。先ほどは石の様なものという意見も出ました。
皆さんはこれが写真である事は分かっているかと思います。写真は時間を止めてみせる役割も持っていますよね。
他に意見はありますか?

1:僕は逆に毛並みの様に見えてきて動いている様に見えます。

7:僕もこの辺りが煙に見えてきて動いています。

4:1つ1つは木の年輪の様にも感じられてきました。

2:おおきな動物に見えてきます!こことここが目でこれが口。
そしてこれは少し恐くて目がどろっと落ちてきているみたいです。

A:先ほどの並べ方でみえてくる物語の意見もありましたが、数枚を同時にみることでみえてきたイメージがあったのですね!

この作品をみんなで見てみてとても面白い発見がありました。それは様々な視点についてです。

背丈程の高さからみたイメージ。宇宙からみた地球のイメージとても高いところからの視点です。
一方で水の中に潜り見上げた視点でみたイメージを発表してくれた人もいました。

それから質感について。
特に手で触れたわけではないのですが、目でよく作品を触ってみると、流れている水、溶けた金属のようでも、ゼリーのようでも、毛並み、岩盤や氷のような固いイメージとありました。

さらに、構成について。
受精と胎児の関係。赤ちゃんのかえると大人のかえる。
そして数枚を同時にみたときに大きな動物にみえるというイメージ。

みなで作品をみることで、視点、質感、構成などの点で、似ていたり異なっていたりと1つの作品の中から見えてきたのはとても印象的ですね。

次に2つ目の作品を観てましょう!

レポート2に続く

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●関連リンク

「à la folie」 浅見俊哉 作品展 6/25まで
http://asa19821206.wixsite.com/shunya-asami/new

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「アメリア・アレナスによる対話型鑑賞プログラム」

・川越市立美術館 2006
http://asaworks.exblog.jp/6845073/

・岡山県立美術館 2006
http://asaworks.exblog.jp/7561726/

・東御市梅野記念絵画館 2007
http://asaworks.exblog.jp/7765165/

・芝の家 2009
http://asaworks.exblog.jp/16404849/

・ホテルグリーンパレス福島 2012
http://asaworks.exblog.jp/15397682/
                                                                
「対話型鑑賞ワークショップ」

・かがわ・山なみ芸術祭2016 綾川町エリア 
作品ナビゲーター養成対話型鑑賞レクチャー 2016
http://asaworks.exblog.jp/22905597/
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by shunya-asami | 2017-06-13 08:00 | 対話型鑑賞プログラム | Trackback | Comments(0)
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