カテゴリ:『またたき』プロジェクト( 7 )
『またたき』プロジェクトレポート―石川県輪島市立三井中学校
石川県輪島市立三井中学校で行われた『またたき』プロジェクトレポートです。

『またたき』プロジェクトとは→(http://asaworks.exblog.jp/7383540/)



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『またたき』 1974mm×2896mm インクジェット出力 (c)2004 浅見俊哉


1:鑑賞を行った場所

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(石川県輪島市立三井中学校HPより)

石川県輪島市立三井中学校、2年教室 


2:鑑賞を行った人数

輪島市立東陽中学校、2年生 男子3名 女子5名(計8名)


3:鑑賞形態

区切りにあわせA3ノビのインクジェット紙に印刷し、ラミネートしたもの(18枚)を床に並べて
「またたき2004」のみ使用


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鑑賞の様子(イメージ)


4:作品を見る上で心がけた事や特別に用意した事

最初に作者名と「またたき」という作品名を提示した。


5:鑑賞者から出た意見、鑑賞者同士の会話、鑑賞者同士の会話から生まれた作品への新しい見方などの記録(―は南 由華里先生の言葉がけ)


―今から、この作品について、意見をだしたり、聞いたりして、作品について考えたり、見方を深めます。この作品からみつけたことを教えて下さい。乗ってみても良いです。

(全員上にのって歩き回ったり跳ねたりして)

・雨が降ってる

・カエルが跳びこんでる

・おたまじゃくしがいる川

・川におらんやろ

・流れの遅い川や

・草のしずくが落ちた

―この水のある場所の周りには草が生えているんだね

・あーなんか沈んでいる石?魚?

・石が見える。浅い川だ。50cmくらい

・これ雷雨やろ

・こっちは夜、これは昼、これは朝

―どこからわかるの?

・色合い、水の色が暗い、明るい

・これは石を投げてる

・これはでっかいの

・これは砂?

―しぶきが多いからね。どんな川かな?湖かな

・浅い川、上流

・いや中流くらいじゃない?

・流れははやい

・遅いよ

―良く観察するといろんなことが想像できるね

無言時間~雑談

―絵から気付いたことを探してね

・水浴びたい

・ここで寝たい

(作品をつなげたわけではなく、一枚一枚並べた状態なのでめくれるのでめくったり並べ替えたりしていた)

・授業中に寝るな(寝そべっている生徒に)

・これトラに見える(水の模様)

・ほんとやー

・カエルに見える

・あカタツムリ、いや亀か、ここに亀がいる

―いろんな形に見えておもしろいね。おなじ形のやつがあるんだよ

・えーこれとこれ

・これかな、ちがう

・これだ!

・ほんとや

・おれがとった(カルタのように)


―浅見さんはこの作品について自分を写したという風に言っています。

・えーこんな顔なん(しぶきをさして)

・感情を写してた

・イライラしてたのかな(でっかいしぶき)

・こっちからあっちにかけてついてるから(バラの画像なので裏に番号をメモしてあったので)

・イライラして物を投げてすっきりした、

・時間経過があるのかな?

・うん、こうなってこうなって(しぶきの大きさで)気持ちが変わっていった

・これは彼氏に振られたんだよ

―浅見さんは男の人だよ

・じゃあホモか彼女や

・一枚一枚が、1日1日の感情をあらわしてる。

・夜イライラしたら川にいって物をなげた、こっちは昼に行った

・ビンみたいなのが沈んでいる

・川にビンを捨ててる悪いやつだ

・投げてパシャってとったんや

・それじゃあ間に合わんやろ(しぶきの出る瞬間に)

・上になげて落ちた時に撮った(しぐさをして)

・それ遅い遅い

・撮れてない


(35~40分程鑑賞)



●紙に書かせた生徒の感想(誤字なども原文)
 緑字は浅見の雑感(後に先生から生徒に伝えていただいた)

・何かを投げた感じや投げた時の水たまりが動物に見えたりしていた
 この作品を見て、写真の上などに乗って感じたことを話し合ったのが楽しかった。

乗ることでみる事が主体的になっていく。
私は足の裏でみると言っていて、これはアートが、「難しい」と思っている人に程有効だなぁと感じています。



・最初はただの川とかみぞとかに思えたけど、話し合いをして浅野さんのなやみをぶつけたやおたまじゃくに見えるなどわかった。話し合うことで考えが変わる作品だったのでおもしろかった。

人からの意見を聞いて考えがいろいろなイメージを持っていますね。
写真のようです。



・大きな世界(川)に自分(石)を投じて、それが大きくなったり、小さくなったり。
人によって感じ方が違って、答えのないものは、答えがたくさんあるような気がしました。

「答えのないものは、答えがたくさんあるような気がしました。」
すごい感じ方ですね。うーーーーん。


・写真は全部似ているようにみえて、全部違っていて1つ1つにこもっている感情が違うんだなと思った。波紋の大きさや周りの飛び散り方も違っていて、1つ1つに個性があると思った。みんな写真を見て感じることは同じではないのでいろんな考えがきけて良かった。

1つ1つの個性。確かに同じ形は無いね。

・水の感じが少しずつ違ってきれいだった。たくさんのひょうじょうがあった。おちついた。なにかがおちていてその形や時間が感じょうをあらわしていsた。どんな、どうだ、どこ、いつなど写真一枚でよくわかった。いろいろな生き物がいた。おもしろかった。みんなの意見や自分の意見をうまくはなせたし、きけた 人それぞれちがう見かたであることがわかった。

形や時間が感情を表わす。
私が追っているテーマにすごく近い言葉です。



・その1日の気持ちをかわのしずくで表したものだと思いました。またしずくかたちがいろいろなものの形に見えました。ものはいろいろな見方をすると、たくさんのすばらしいものが見えてくることがわかりました。
これからも日常生活で見るものをもっと見方を変えようと思いました。

ものはいろいろな見方をすると、たくさんのすばらしいものが見えてくる
たぶん「自分」も同じ。「自分」は同じ「自分」だと思っているけれど瞬間瞬間に違うものになっている。
それを写真によって記録するから「自画像」になると思っています。


・はじめ、波もんは「しずくがおちた」とか「かえるがとびこんだ」と言っていた。でも、作者の思いが表れていると考え直すと、1枚1枚、その日の悩み事や怒りなど自分の思いを表しているのではないかと思いました。

その日の悩み事や怒りなど自分の思いを表しているのではないか
うん。それぞれの感情はきっと形が違うものだよね。


・此の作品を作った人は「自分を写した」といっていて私はただ何もない静かな池だけど投げ込むことによって
風景が変わって自分でいっぱい挑戦して何もない人生ではなくワクワクする人生にしていっている感じがしました。

一しゅんの水しぶきとか太陽のひあたりを残とておきたいのかと思いました。
ただの池だけどいろんな見方を変えることによってより深く知ることができました。

 確かに制作していた時は、ワクワクしていた。けれど大きな不安を抱えてもいた。両サイドの感情が入り混じっていてそれを留められないかと考えていた。



6:『広がるまたたきプロジェクト』を行っての感想や要望、気付いた事など。

少人数で生徒もおとなしい学校なのですが、作品について意見を述べている生徒がいても、すぐに2~3人のグループになって雑談(作品に関係のない話題)を始めてしまうので一人の意見を全員に伝えるためにこちらから大きな声で静かにさせて、生徒の意見を大きな声で伝えたり、もういちど発言させたりすることが多くなってしまいました。(特に鑑賞に積極的でない生徒に意見を伝えたくて)まじめな生徒は一生懸命なにかを探したり、文学的な意見を述べていました。

待つのがスタンスと思っても、無言の時間から雑談や手遊びにに生徒が映ってしまうとやはりすぐに作品にもどさせるために、作品の情報を言って探させてしまいます。(特に授業時間が押してくると)

集中のさせ方がまだまだ足りないと思いトークの難しさを感じました。

ありがとうございました。




・「みる」←→「みる」のやりとりを終えて

今回、南 由華里先生から作品を貸してほしいとのメールをいただき今回のプロジェクトが実現出来ました。

プロジェクタでスクリーンに投影し、トークを行う場面が多い中、南先生は図版を出力し、オリジナルの作品と近い状態で生徒と鑑賞を行っていただきました。

トークでは、第一印象を生徒どうしが交換しながら、先生の言葉かけとお互いの意見の交換によって、制作の行為の意味や、制作した時の感情などを、まるで自らが制作者のように語っています。

「見方を重ね合う事で、作者に近づいてくる」とアメリア・アレナスは言っていました。

もちろん作者の意図を見つける事が鑑賞の目的ではないのですが、作品をじっくり見ることでその人を想像していくことは自然の流れの様な気がします。

いつも驚く事は、私の制作時の気持ちや感情の把握している外側を子どもたちはみているという感覚になる事です。子どもたちの意見を「鑑賞」することで作品がまたひとつ理解できたような気持ちになります。

子どもたちのこのような見方が作品だけでなく、生活のあらゆる様々な場面で出来るといいのになぁと考えています。その為の入り口として、対話型の鑑賞は有効だと私は思っています。

南先生、貴重な経験をどうもありがとうございました。




●参考文献

「美育文化2006年 vol.56No.5 『特集”みる”出来事』 

「観る人がいなければアートは存在しない!」(豊田市美術館による美術館とガイドボランティア10周年記念誌)


●関連記事

・アメリア・アレナスの鑑賞に触れて(美術による学び研究会)
http://artmanabi.main.jp/pg26.html

・「またたき」プロジェクト
http://asaworks.exblog.jp/i13

これまでの『またたき』の展示の様子

・2006年『Mite!おかやま―岡山県立美術館』
http://asaworks.exblog.jp/7561726/

・2006年『浅見俊哉作品展―川越市立美術館』
http://asaworks.exblog.jp/6845073/

・2008年『長野県東御市梅野記念絵画館展示』
http://asaworks.exblog.jp/9331457/

・2009年『アメリア・アレナスの対話型美術鑑賞ワークショップ in芝の家』
http://asaworks.exblog.jp/17422012/

・2012年「EASアートキャラバン」―対話による美術鑑賞(東日本大震災の災害支援活動として実施)
http://asaworks.exblog.jp/15397682/
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by shunya-asami | 2012-12-14 19:27 | 『またたき』プロジェクト | Trackback | Comments(0)
「アメリア・アレナスの対話型鑑賞ワークショップ」―『またたき』@芝の家(2009年2月)
去る2009年2月28日(土)、「アメリア・アレナスの対話型鑑賞ワークショップ」に『またたき』が用いられました。

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対話型鑑賞とは、参加者で一つの作品を一緒に鑑賞していきます。

作品を見て感じた事、考えた事、発見した事を声に出していきます。

「私と同じ考えだな…」、「そう言われれば確かにそうみえるな…」、「自分では発見できなかったことだな…」

など人と意見を交わしていくことで、同じ作品の中にいろいろな見方をする事が出来ます。

今回の展示作品は

木下晋―『103の闘争』、『ピザの箱』―Enrique Lista、『書道の様な絵画』―Emilia Dubinicki、『タバコを吸っている女性の写真』―Niko Alexandrou、『またたき』―浅見俊哉

以上5点でワークショップが行われました。

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今回も、ワークショップの導入作品として『またたき』を鑑賞。

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「じっとみて、なにがみえるか」

作品を見ながらいろいろな形を発見していく参加者たち。

クラゲや動物の形を見立てたり、台風や雲の渦巻の様な現象が見えてきたり、数枚の構成の中で物語を想像したりする中で意見を交わすのが楽しくなってきます。

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最後には制作した作者の心情を想像をする参加者もいました。
(この意見にはとても驚きました。)

次第に自分の考えを発表する事に慣れて来た参加者たちは次の展示作品へ…

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アメリアおなじみの作者当てクイズ~作者の登場、質問コーナーもありました。

ここで作者が分かった参加者はそおっと私に近づいてきて、先ほどの質問を尋ねてくれました。

「(作品をみて)すごく切ない気持になりました。自分がどこにいるのか、作品を見ていてよく分からなくなった。何度も自分を確かめるように作品をつくった様に感じました。なので力強くも感じましたが、どんな気持ちで制作されたのでしょうか?」

鑑賞者の言葉をリアルタイムに受け取る事は作品制作者にとってこの上ない緊張感をもたらし、自らの作品を生身で鑑賞する機会を与えてくれると思います。


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貴重な体験をさせていただきました、関係者の方々に深く御礼申し上げます。

また掲載した写真の一部は三田の家の方々のご提供です。


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芝の家親子で参加するワークショップシリーズ 「アートをみて、話そう!」
『アメリア・アレナス』の対話型鑑賞ワークショップ

場所:芝の家(東京都港区芝3-26-10)

日時:2009年2月28日(土)

主催:三田の家(慶応義塾創立150年記念未来先導基金)
    芝の家(芝地区昭和の地域力再発見事業)

協力:淡交社、日本写真印刷、美術による学び研究会



●関連記事

・アメリア・アレナスの鑑賞に触れて(美術による学び研究会)
http://artmanabi.main.jp/pg26.html

・「またたき」プロジェクト
http://asaworks.exblog.jp/i13

これまでの『またたき』の展示の様子

・2006年『Mite!おかやま―岡山県立美術館』
http://asaworks.exblog.jp/7561726/

・2006年『浅見俊哉作品展―川越市立美術館』
http://asaworks.exblog.jp/6845073/

・2008年『長野県東御市梅野記念絵画館展示』
http://asaworks.exblog.jp/9331457/

・2009年『アメリア・アレナスの対話型美術鑑賞ワークショップ in芝の家』
http://asaworks.exblog.jp/9389755/

・2012年「EASアートキャラバン」―対話による美術鑑賞(東日本大震災の災害支援活動として実施)
http://asaworks.exblog.jp/15397682/


●関連リンク

・SAKAKURA kyosuke Web site
http://kyosuke.inter-c.org/cahiers/2009/works/342/
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by shunya-asami | 2012-12-13 22:53 | 『またたき』プロジェクト | Trackback | Comments(0)
「EASアートキャラバン」―対話による美術鑑賞レポート
 去る、2012 年2 月5 日(日)、ホテル福島グリーンパレス(瑞光の間)にて行われた、EASアートキャラバンに参加しました。

この活動は、東日本大震災の災害支援活動として実施されました。

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主旨は、「芸術に親しむひとときを、飯舘村から避難されている皆さまに提供いたします。参加者と一緒におしゃべりをしながら、見て、触って、感じ取って、制作も出来る。そんな時間を共有して頂きます。」
(EAS:HPより抜粋)

 
 東京駅から新幹線で福島に向かいます。福島駅を降りるとさすがに気温が低く、雪も積っていました。会場はホテルの一室をお借りしての実施です。昼食をすませ、作品を設置します。

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14時になり、参加する子どもたちが部屋に入ってきました。会場に入るとすぐに会場に設置されている作品の前に立ち、話をしはじめました。


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初めの作品の鑑賞の様子。少し意見がでにくく、緊張している様子。


アメリア・アレナス(以下A・A)の「次の作品を見に行こう」の呼び掛けで次の作品に…


A・A「靴を脱いでいいよ。上を歩いてもいいよ。みんな入っていいよ。」

―子どもたちは一斉に作品にダイヴ!!!

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A・A「ぐるっとまわりにすわりましょう!作品をみてください。何が見えますか?」

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子ども「バシャーンっていうしぶき」

A・A「ほかのところは?」

子ども「どれもぜんぶまるい!」

子ども「これやまにみえる!!」

子ども「ここはおおかみにみえる!!」

子ども「ここ、ひつじだ!」

子ども「ここもやまのかたち」

子ども「こっちとこっちひつじにみえる!!」

子ども「ほんとだ!ここが耳でここが体じゃない?」

子ども「きょうりゅうにもみえる!!」

子ども「へびだ!!」

子ども「ここは?らいおん?」

子ども「しゃぼんだま!!」

子ども「わかめ!!」

子ども「水がはねている!!」

―子どもどうしが次々に形をみたてていく

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A・A「私にも教えてくれる??」

子ども「ここが、くらげにみえる!」

子ども「脳みそ!!」

子ども「みずのうえにみえる!」

子ども「(水の)なかからぶくぶくやっているようにみえる!」

子ども「水をばしゃばしゃばしゃーっザバーってやっている」


A・A「グレイト!実は、この作品をつくった人がこの中にいます。」

A・A「この作品は石を水の上から落として写真を撮っています。」

A・A「ここにあるのは水のはねているもの、ここに見える茶色のものは水面に映っている木や葉の色です。」

子ども「じゃあ、これは太陽の光?」

―ハイライトの部分を指さして子どもが答える。

A・A「そうそう!ベリーグッド!!」

子ども「これも太陽じゃね?明るい!」

子ども「うわぁ!太陽がいっぱいだ」

子ども「なんだこの線??」

―作品の細部や明暗に気づき、意見を交わし始める

子ども「線つなぎこれ?」

子ども「このせんはなんだろう?いっぱい線があるね!」

―波紋の小さな波に注目する

子ども「ドラゴンの爪の跡だよ!」

―この見方に一同驚く。

子ども「このポツポツはなに?」

―沢山の小さな波紋に注目する

子ども「お団子??」

A・A「川の写真とかをみるときにはだいたい水平線があって空があって川だとわかるけれど、こういう風に水を真上から撮るといろんな羊やオオカミやドラゴンのつめのあととかいろんな動物がみえますね。」

子ども「…カタチがみえる」

A・A「さあ、だれがこの写真を撮ったでしょうか?」

―私を含めた数名の大人が並ぶ

子ども「うーん…」

子ども「この人!」

―私を指さす。

A・A「当たり!どうしてわかったの??」

子ども「おおきなカメラもってるもん!!」

A・A「このひともカメラ持っているよ。」

―私の隣の人を指す。

子ども「だって(カメラ)小さいもん!カメラ大きくないとおっきい写真は出てこないもん!!」


A・A「では、作家を呼んでくるので質問して下さい!」


私「こんにちは!何か質問はありますか?」

子ども「どうやって撮りましたか?」

子ども「どうして撮りましたか?」

私「どうやって撮ったかから答えます。水面の上から石を落して撮りました。」

子ども「水はかかりませんでしたか」

私「かかりました。すごくかかりました。」

子ども「海でとったのですか?」

私「川です。」

子ども「この小さいものは何ですか?(鑑賞の中でポツポツと言っていたものを指さして)」

私「一つの石を落とすと水しぶきが出来てそれで出来たものです。」



子ども「どうして撮りましたか」

私「川に太陽が反射していてそこに石を投げたらどうなるかなと思って投げました。」

子ども「うん、そういうのはなかなか撮れないもんね。」

私「川はただ流れているだけなんだけど石を投げると自分がそこにいるなって感じになると思って撮りました。」

子ども「自分がばしゃって(水の中に)入ったみたいになるもんね。」


約15分の鑑賞が終わった。

子どもたちは、自分が撮影している状況を想像しながら質問をしてくれた。撮影中に水がかからないかとか、なかなか多様が反射している状況は無いよねとか

それから水面を飛び跳ねる石遊びで5回石が水面を跳ねていったことについても語ってくれた。

「自分がばしゃってはいったみたいになるもんね。」という、最後の子どもの言葉は、私が夢中になって撮影しているときに思った実感そのものであった。


その後、木下晋さんの作品を鑑賞

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「宇宙人みたい!」

「わたあめみたい!」

「顔がない!」

「歯がある!」

「つめがある!」

「手をこうやってしている!(祈る手の様な動作をしながら)」

といった言葉が交わされた後、木下さんが作品について語る。
病気の事、目を摘出してしまったこと、鼻がなくなってしまったこと、入れ歯を入れていること、この人は震災にあった人の事を思って合掌しているところを描いたこと、目が見えないことを表すために背景を黒にした、等を伝えた。

「大変な病気になってしまったんだね」

「すごく大変な思いをしたんだな」

「目をとるのは痛かっただろうね」

といった言葉が子どもたちから出た。



その後も様々な作品を鑑賞した。

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16時になり企画者の藤島祥枝さんより挨拶がありました。

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子どもたちは活発に意見を出し、大人たちを驚かせた。

被災の件もあり、うまく子どもたちと向き合う事が出来るのか心配であったが、そんな心配は作品を鑑賞していく中で感じた子どもたちのパワーにかき消された。

前述した今回の趣旨である

「芸術に親しむひとときを、飯舘村から避難されている皆さまに提供いたします。参加者と一緒におしゃべりをしながら、見て、触って、感じ取って、制作も出来る。そんな時間を共有して頂きます。」

といったEASの願いを少しでも実現できたのなら嬉しく思います。


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災害支援活動:芸術に親しむ
対話による美術鑑賞

アートキャラバン

日時:2012 年2 月5 日(日) 14 時~16 時

場所:ホテル福島グリーンパレス 瑞光の間


■ 主 催:NPO 法人エコロジー・アーキスケープ
■ 協 賛:株式会社ラッシュ・ジャパン
■ 協 力:株式会社ブックエンド/株式会社アールアンテル
      ホテル福島グリーンパレス



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『またたき』 1974mm×2896mm インクジェット出力
(c)2004 浅見俊哉

「またたき」は床面に展示され、鑑賞者はその上に乗って鑑賞することもできる。
2006年7月21日~8月20日まで岡山県立美術館で開催された「Mite!おかやま」に出品後、2008年より「ひろがるまたたきプロジェクト」として、全国各地で展開。






●関連リンク

・「またたき」プロジェクト
http://asaworks.exblog.jp/i13

これまでの『またたき』の展示の様子

・2006年『Mite!おかやま―岡山県立美術館』
http://asaworks.exblog.jp/7561726/

・2006年『浅見俊哉作品展―川越市立美術館』
http://asaworks.exblog.jp/6845073/

・2008年『長野県東御市梅野記念絵画館展示』
http://asaworks.exblog.jp/9331457/

・2009年『アメリア・アレナスの対話型美術鑑賞ワークショップ in芝の家』
http://asaworks.exblog.jp/9389755/
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by shunya-asami | 2012-02-10 23:24 | 『またたき』プロジェクト | Trackback | Comments(0)
「EASアートキャラバン」―対話による美術鑑賞―in福島 に参加します!
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災害支援活動:芸術に親しむ
対話による美術鑑賞
アートキャラバン


 みんなでアート作品を見ながら語り合いませんか? 作品をじっくり見て、感じたこと、考えたことを語り合い、みんなで作品を読み解いていく共同作業のおもしろさを体験しましょう。作品の前では、大人も子どもも平等。ちょっと変わった感想や、思わず笑ってしまうような意見も、恥ずかしがらずにどんどん話してみよう。作品をかこんで、「へえ~」、「ふ~ん」、「なるほど!」と、お互いの気持ちが通じるって、とっても楽しい。冬の寒さを吹き飛ばす、心が温かくなるひとときをみんなで過ごしましょう。

日時:2012 年2 月5 日(日) 14 時~16 時

場所:ホテル福島グリーンパレス 瑞光の間


■ 主 催:NPO 法人エコロジー・アーキスケープ
■ 協 賛:株式会社ラッシュ・ジャパン
■ 協 力:株式会社ブックエンド/株式会社アールアンテル
      ホテル福島グリーンパレス
■ 対 象:避難先で暮らす お子様からお年寄りまで(参加費:無料・申込:不要)
     ※上記以外の方で、参観や取材をご希望の方は、以下にお申し込みください(1月末締め切り)

ファシリテーター

・アメリア・アレナス(美術史家、元ニューヨーク近代美術館教育部講師)

 1984 年から96 年まで、ニューヨーク近代美術館教育部に勤務。同館が、ニューヨーク市の公立小学校の教師75 名と児童3,500 名を対象に、5 年の歳月をかけて体系化した「視覚を用いて考えるためのカリキュラム(VTC)」の制作に参加。98 年『なぜ、これがアートなの?』を出版。本の内容をもとに、豊田市美術館、DIC 川村記念美術館、水戸芸術館と共同で企画した同名の展覧会は、対話による美術鑑賞の先駆的試みとなる。また、翌年主演したテレビ番組「ETV カルチャースペシャル〈最後の晩餐〉ニューヨークを行く」が、「日本賞」グランプリを受賞。以来、10 年以上にわたり、美術館での展覧会やギャラリートーク、セミナー、出版などを通じて、日本の鑑賞教育の普及に取り組む。

・ 上野行一(帝京科学大学教授)

 帝京科学大学こども学部教授。高知大学教授を経て、2010 年より現職。いちはやくアカデミズムの分野から「対話による美術鑑賞」に注目し、分析と実践を通じて教育現場への応用と普及に取り組む。2005 年、3 年をかけてアレナスと共同で開発した『MITE! ティーチャーズキット』(全3 巻)を刊行。08 年に「美術による学び研究会」を発足。毎年、全国規模のフォーラムを開催し、鑑賞教育の実践報告を行っている。
2011 年『私の中の自由な美術』を刊行。

・ 木下晋(画家、金沢美術工芸大学教授)
 独学で油彩やクレヨン画を手がけ、16 歳で、画家の麻生三郎、詩人の滝口修造に出会う。1973 年から洲之内徹の現代画廊などで個展を開き、82 年渡米から帰国後、鉛筆画を始める。9B から9H まで20 種の鉛筆を駆使した、写実に徹した大作で知られる。とくに「ごぜ」の小林ハルさん、ハンセン病元患者桜井哲夫さんを描いたシリーズは著名。2002 年に23 年間書き留めた30 数編の文章と117 点の作品写真を掲載
した画文集『生の深い淵から』を出版。

 ・浅見俊哉(アーティスト)




お問合せ:NPO 法人エコロジー・アーキスケープ 藤島 eas@bronze.ocn.ne.jp 03-5232-1080





 わたしは、おなじみ『またたき』を持って参加します。

今回のアクションでまた様々な視点を共有できれば幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。


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『またたき』 1974mm×2896mm インクジェット出力
(c)2004 浅見俊哉

「またたき」は床面に展示され、鑑賞者はその上に乗って鑑賞することもできる。
2006年7月21日~8月20日まで岡山県立美術館で開催された「Mite!おかやま」に出品後、2008年より「ひろがるまたたきプロジェクト」として、全国各地で展開。






●関連リンク

・「またたき」プロジェクト
http://asaworks.exblog.jp/i13

これまでの『またたき』の展示の様子

・2006年『Mite!おかやま―岡山県立美術館』
http://asaworks.exblog.jp/7561726/

・2006年『浅見俊哉作品展―川越市立美術館』
http://asaworks.exblog.jp/6845073/

・2008年『長野県東御市梅野記念絵画館展示』
http://asaworks.exblog.jp/9331457/

・2009年『アメリア・アレナスの対話型美術鑑賞ワークショップ in芝の家』
http://asaworks.exblog.jp/9389755/
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by shunya-asami | 2012-01-31 20:50 | 『またたき』プロジェクト | Trackback | Comments(0)
作品って何?~『またたき』の現場から~
・2004年に制作した『またたき』も2009年を持って約5年になった。

その5年間で『またたき』を通して様々なアプローチを試みた。

以下はその『またたき』をめぐるレポートをまとめたものである。


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『またたき』 1974mm×2896mm インクジェット出力 (c)2004 浅見俊哉

「またたき」は床面に展示され、鑑賞者はその上に乗って鑑賞することもできる。
2006年7月21日~8月20日まで岡山県立美術館で開催された「Mite!おかやま」
に出品後、2008年より「ひろがるまたたきプロジェクト」として、全国各地で展開。



Chapter1:発案


・「作品」ってなんだろう?

私がその疑問を追及してみたいと思ったのは、2006年に遡る。

当時私は大学に「研究生」という立場で残り、作品制作を続けていた。

『またたき』は私が大学3年生の時(2004年)に制作したもので初出は写真サークルのグループ展『Deji-vu』展(ギャラリー萌木/埼玉・越谷市)である。

その『またたき』は、2006年6月3日に行われた川越市立美術館でのアメリア・アレナスによる小学5年生20名との対話型作品鑑賞のプログラムに用いられた。

そこで面白いことが起きた。

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(この時のトークの様子は以下を参照)
http://asaworks.exblog.jp/6845073/

作品をみて話す子どもたちの言葉に、作者である私が想像もつかない、作品の見方や感じ方の新たな視線をもらい、皆でみることで広がるイメージを感じた。

アレナスのトーク後、私につぶやいた言葉

「あなたの作品は見る人がいて初めて成り立つことをわすれないで」

作者は自分の作品に対してすごく盲目的であり、作品鑑賞の場ではひとりの鑑賞者として、みる人とイメージを広げていきたいと考えるようになった。

その後、2006年7月岡山県立美術館で行われた特別展「Mite!おかやま」に、同じ作品『またたき』を出品した。

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(この時のレポートは以下を参照)
http://asaworks.exblog.jp/7561726/

事前にアメリアにレクチャーを受けたナビゲートスタッフの方が、会期中作品のナビゲートをし、そこで生まれた作品の様子は、川越で起きたものとはまた別のものだった。

『またたき』は靴を脱いで作品の上に乗ることが出来る。作品の上でぴょんぴょん飛び跳ね、身体を使ってみる子どもがいた。

言葉だけではなく、身体を使ってみる。

この発見はとても私にとって大きな発見だった。


アメリアにトークの後、なぜ私の作品を用いたのか聞いた。

その答えは「作品がジューシー(みずみずしい)だからよ。」

といったものだった。



Chapter2:作品は変化する


川越市立美術館、岡山県立美術館での出来事を経て、私は、鑑賞者の「作品をみる」というアプローチまでを自身の作品制作として追及したいと考えるようになった。

2007年再び作品を展示する機会を与えてもらうことが出来た。アメリア・アレナス(元ニューヨーク近代美術館教育担当)による、鑑賞教育研修会が長野県で行われた。

面白いことが起きた。

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長野県信濃美術館(2007.4/7)、東御市梅野記念絵画館(2007.4/8)で開催され、約120名の教員、学芸員、美術関係者が、アメリアアレナスのレクチャーの中での出来事。

(4月8日のトークの様子は以下のレポートを参照)
http://asaworks.exblog.jp/7765165/

それは、作品を通して、周囲の環境をみるというものだった。


―『またたき』はこれまでに岡山県立美術館、長野県信濃美術館で、小・中学生に観てもらった。同じように、山奥の東御市梅野記念絵画館で展示し観てもらったときに、他の二館では出ない言葉が鑑賞者から飛び出した。それは、「山の中のきれいな水の中に何かを投げ入れたようにみえる」というものだった。なぜこの梅野記念絵画館だけでこの言葉が飛び出したのかというと、展示フロアと関係している。この展示フロアの目の前に大きな湖がある。子ども達はその作品だけを観ているとは限らない、他者や環境の相互性、作品が置かれた環境も含めて観ている―

「『観る人がいなければアートは存在しない!』P29より抜粋」

私は、この意見を聞いて、作品は、作品鑑賞をする人と人とのイメージのやり取りの中にだけあるのではなく、作品と人と現在の環境や状況によっても変化し、それによってみる人は作品をより自分の中で実感できるということに気づいた。

作品制作者は、作品だけを制作するのではない。

作品の展示方法や、鑑賞者へのアプローチを考えることは、作品の価値を探し求めることである。
またそれは、作品が、どう社会に働きかけていくかを考えることである。

私は、その方法には、一つの絶対的な答えがあるのではなく、絶えず変化し流動していく社会の中で、その価値を見つけていく作業が作品制作なのではないかと考える。



Chapter3:展開


以降、様々な場所で作品展示を行った。

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作品がみられていたのは、作品のみられることが前提としてある環境(美術館やギャラリー)だからではないかと、ゲリラ的にパブリックスペースや野外でも作品展示をし、作品がどうみられるのかを追及した。

面白いことが起きた。2009年 2月21日(土)〜22日(日)に行われた第4回美術鑑賞教育フォーラムでの出来事である。

午前中のセクションが終わり、お昼休みに講堂の入り口に作品を配置した。 

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作品にハイヒールの穴が開いた。

これは、美術館やギャラリーでの展示の時には起こらなかった出来事で、野外という環境や状況によって起こった作品の鑑賞のひとつであった。

また、人の集まる駅前の広場に作品を展示した。


面白いことが起きた。


作品の側を通り過ぎる人がいてもほとんど足を止めることもない。

作品を無視する(或いは見えてもいない)といった作品の見方が、野外では否応にして行われる。


その中で、ひとりのこどもが作品を見に来て、しばらく作品をじっと眺めた後、作品のうえで寝転んだり、逆立ちをしたりした。


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『またたき』の作品でよく出される意見に

「水の中に入り、水面を見上げてみているみたい」といったものがある。

逆立ちをすることでその状態で作品をみることが出来る。

この子どもに尋ねると、「水の中に落ちて行っているみたいにみえた」と答えた。

私は、こうした開放的な空間に作品があることで自然に身体を使って作品をみることが出来るのだとまた一つ発見をした。



Chapter4:広がる「またたき」プロジェクト


2008年より、広がる『またたき』プロジェクトというプロジェクトを行っている。

作品画像を無料で貸し出し、鑑賞の現場で活用していただくというものである。

(詳しくは以下のサイトを参照)

このプロジェクトによって作品提供、作品の現場での出来事をお互いに共有することで新たなみる現場を生み出したいと考えている。

2009年12月現在、3か所でこのプロジェクトが実現した。2008年度に行われた実践を2点紹介する。


広がる『またたき』プロジェクト実践1:

日時:2008年5月23日

場所:香川大学教育学部・幸町キャンパス美術実習室6 

指導者:日野陽子先生(香川大学准教授)

鑑賞形態:プロジェクタでスクリーン投影、3名に1枚程度の割合でA4版にプリントアウトしたものを配布

人数:香川大学学部生(全学部)男性8名・女性17名

鑑賞方法:みんなで対話を始める前に10分間スクリーンとプリントの作品をじっくりと見て、自分の考えたり感じたりしたことをワークシートに黒ペンで書いた後、作品をみて対話を開始。鑑賞を進める中で印象的だった他者の意見をワークシートに黒以外のペンで記入。約40分の対話による鑑賞の後、改めて作品のイメージを自分の中でまとめたり、タイトルをつけたりする。

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また、「鑑賞による創作川柳」と題し、作品から川柳も生まれた。

・みずうみに 未知のせいぶつ とびこんだ

・世の中に おんなじことは 二度と無い

・静寂を やぶる波紋が あらわれた

・投げ込んだ 意志で世界を 震わせる

5-7-5以外の形式の作品も生まれた。

・ごぼごぼごぼ 自然の鼓動が鳴り響き 我らの心も 安らぐものかな


広がる『またたき』プロジェクト実践2:

日時:2008年5月~

場所:埼玉県蓮田市立黒浜西中学校さやわか相談室

鑑賞形態:相談室内に設置されている黒板に黒模造紙を貼って枠を作成し、プリントした作品を枠内に飾った。

人数:相談室へ来室した生徒、教職員

鑑賞方法:情報は一切与えず、作品を目に留めた者に対し、「どう?」と声かけをした。

相談室での作品展示ということで、作品を通して会話のきっかけが生まれた。

以下は報告レポートより抜粋

・鑑賞していた生徒に「触っていいよ」と伝えると、恐る恐る作品に触れようし、作品に触れた時に目を見開きながら「うわ~、変な感じ」と言った生徒がいた。「変なってどんな感じ?」と問うと「本物の水じゃないのに、触るとなんか冷たい感じがする」という感想を述べた。

・気温が高い日、作品に触れる生徒が3人いた。「なんか吸い込まれそう」「水っていいよね」「涼しそう」という意見が話された。

・「これは観ていて落ち着きますね」と、相談室へ来るたびに作品の前に立って鑑賞してる教職員がいた。

・「どうやって撮ったの?」「誰が作ったの?」と、作品情報について聴いてくる中1生徒が5名いた。作品の情報を伝えると、「へえ、こういうの作れるって人ってスゲー」と、純粋に作者に対して尊敬の気持ちを話していた。



Chapter5:今後


作品はそれ自体で作品であることはない。

世界遺産に登録されている「バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群」。
そのバーミヤン渓谷にある2体の大仏は2001年3月破壊された。この世界遺産は2003年に危機遺産登録された。

このニュースは私にとってとてつもない衝撃を与えた。一つのものに絶対的な価値はなく、人、社会状況、環境によって変化するものだと、それがいいか悪いかの判断をする間もなく強く刻み込まれた実感があった。

作品もまた同じである。みる人、社会、展示されている環境によって変化していく。

前述した作品の鑑賞の現場、その状況下で、鑑賞者によってうみだされる「作品をみる」を実感することで、私自身、大きく変化した。

また、様々な場所で作品をみる人たちの意見を拾い集めていくと、年齢や男女、また国籍を問わず同じような意見や感じ方も存在する。

環境などによって変化する作品の感じ方と、環境などによって左右されない共通して現れる感じ方を追及し考えていくことで、作品とは何かにより迫ることが出来ると考えている。

 浅見俊哉(2009.12)



●参考文献

「美育文化2006年 vol.56No.5 『特集”みる”出来事』 

「観る人がいなければアートは存在しない!」(豊田市美術館による美術館とガイドボランティア10周年記念誌)


●関連リンク

美術による学び研究会HP「浅見俊哉のページ」
http://artmanabi.main.jp/pg26.html

アメリア・アレナス鑑賞教育研修会レポート(東御市梅野記念絵画館)
http://www.umenokinen.com/backnumber/html/amelia/report.html

広がる『またたき』プロジェクト
http://asaworks.exblog.jp/7383540/

みるをみる!展レポート(KAPL‐コシガヤアートポイント・ラボ)
http://kapl.exblog.jp/10081502/

Shunya-Asami Portfolio
http://asaworks.exblog.jp/
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by shunya-asami | 2009-12-29 01:37 | 『またたき』プロジェクト | Trackback | Comments(0)
対話型鑑賞WSで作品展示!
突然のお知らせで申し訳ありません。

今週の土曜日(2/28)、アメリア・アレナス氏のワークショップで自作品『またたき』が用いられます。

今回で5回目となる本作品でのギャラリートークですが、毎回異なった参加者の言葉を聞くことで、私自身大きな発見があります。


以下詳細


『アメリア・アレナスの対話型美術鑑賞ワークショップ』

場所:芝の家(港区芝3-26-10)
日時:2009年2月28日(土)

第一セッション13:00~(小学校3-6年生対象―要予約)
第二セッション16:00~(誰でも参加できます―要予約)

主催:三田の家(慶応義塾大学創立150年記念未来先導基金)
    芝の家:芝地区昭和の地域力再発見事業

協力:淡交社、日本写真印刷、美術による学び研究会

予約・問い合わせ:芝の家 ℡・FAX:03-3453-0474 e-mail: mita@feel.ocn.ne.jp


ご興味がある方は是非ご参加ください!


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●これまでの『またたき』の展示の様子


Mite!おかやま―岡山県立美術館
http://asaworks.exblog.jp/7561726/

浅見俊哉作品展―川越市立美術館
http://asaworks.exblog.jp/6845073/

2008年度の展示
http://asaworks.exblog.jp/9331457/
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by shunya-asami | 2009-02-25 21:25 | 『またたき』プロジェクト | Trackback | Comments(0)
広がる「またたき」プロジェクト始動!
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1:『またたき―Motoarakawa』2007年作



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2:『またたき』2004年作



『またたき』作品図版を無料提供いたします。




高知大学で行われた「美術鑑賞の授業を考える」研究会を通して、パネラーの先生方の発表を聞きながら、作品制作者の私には何ができるだろうかと考えました。


その問いは、2006年に岡山県立美術館で行われた特別展「Mite!おかやま」へ『またたき』出品をした時から考え続けてきたものです。



ありがたいことに、「Mite!」展で「作品を見ました!」「トークに参加しました!」「作品イケテました!」とたくさんの方から直接報告を受け、その時初めて作品を出品していたことの実感を得られました。



今回の研究会に参加して考えた私なりの一つの取り組みを実践したいと考えます。



題して「広がるまたたきプロジェクト」



それは、私の作品(データ)を教育関係者、社会現場で鑑賞のために使う方に無料で提供し、その代わりといっては何ですが、そこで起こった実践を報告してもらうというものです。



概要は以下の通りです。



「作品そのものに意味はなく、作品の意味は人々が作品を見るという行為を通じ作品と行うコミュニケーションの中で生じる」

アメリア・アレナス(「なぜ、これがアートなの?」 淡交社)


アメリアの行う対話型鑑賞は、作品制作者の私にとっても非常に大きな衝撃でした。

『またたき』は2006年5月、川越市立美術館にてはじめてアメリアのトークに用いられました。トーク後、アメリアは私に「見る人がいて初めて作品が成り立つ、それを忘れないで」とささやきました。


「作品制作者は自分の作品について誰よりも盲目である。」

「作品の意味が見る人の中で生まれるものならば、アーティストの意味も鑑賞者の中で生じるものだ」


と私は考えます。


そして作品制作者の私にできることは、より多くの人に私の作品を鑑賞できる場を広げることではないかと考え、このプロジェクトを皆様とつくりたい。作品制作者と作品ナビゲータとの連携により、双方の視点から「鑑賞」を考えたいと思います。是非、このプロジェクトを通して、作品に意味を付加させていただければ幸いです。




☆参加方法☆



1:教育現場や美術館、児童館、社会福祉施設などの教育目的で『またたき』を用いる方に、作品(データ)を無料提供いたします。
2:『またたき』を用いて行った鑑賞の様子をご報告ください。
3:第三者への作品の譲渡はしないでください。


提供作品図版


1:『またたき―Motoarakawa』2007年作

2:『またたき』2004年作


作品提供希望者の方は、お手数ですが下記の項目に記入後、「図版提供希望」とし、メールにてご連絡ください。

申し込み先メールアドレス:dejivu04@yahoo.co.jp


1氏名:
2所属:
3使用目的:




4ご連絡先:




5提供希望作品:




6その他要望や質問など





メール受け取り後、作品と作品資料、返信用レポートを送らせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。



 浅見俊哉
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by shunya-asami | 2008-03-01 15:46 | 『またたき』プロジェクト | Trackback | Comments(0)



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