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町のアートスペースについて話そう座談会レポート
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去る10月23日。

町のアートスペースを持っている方々が集まり、座談会が開催されました。

東京都墨田区八広にあるyahiro8で開催。

とても暖かい空間で、オープンしてここから何が生まれていくのだろうかとワクワクするところでした。

今回集まったパネラーは以下の5名です。

中野区東中野  RAFT  来住真太 http://www.purple.dti.ne.jp/raft/

行田市 RUSK 野本翔平 http://gyoda.exblog.jp/

越谷市 KAPL 浅見俊哉  http://kapl.exblog.jp/

文京区千駄木 Brick-one 熊谷乃理子 http://www.brick-one.com

墨田区 八広 yahiro8 オカザキ恭和     http://yahiro8.seesaa.net/

それぞれの自己紹介の後、スペースを持ったきっかけ、近所づきあい、企画のたてかた、費用の件、人の呼び込み、地域との関わり方などスペースを運営するにあたり次々と生まれてくる課題をどう解決しているのか話し合いました。

一例として、
RUSKさんは2010年設立、パン屋からもらったパンの耳をラスクにして売り家賃にあてている。子らから庭に石窯をつくる。それでピザも焼ける。
Brickoneさんは、企画をやる度に近所の方に挨拶をして回りコミュニケーションをとっている。外国からの滞在や表現活動の支援も行う。それによって自らも刺激を受けている。
RAFTさんは2006年設立、10年続けたい。はじめは自分の給料がなかった。お金の面のやりくりがたいへん。コンテンポラリーダンスは企画してもあまり見に来てくれない。うたごえ喫茶などの企画には良く参加してくれる。この差を考えたい。
yahiro8さんは2010年設立。八方に広がるスペースとして地域との交流を広げたい。公民館の様なスペースにしたい。

と言った話がありました。

KAPLは、運営自体が表現活動のようなもの。2006年から越谷市を美術館にしよう!(まちアートプロジェクトhttp://townart.exblog.jp/)と活動をしてきた中から自分たちのアートスペースの必要性を感じた。地域で持続したアートプロジェクトの一つとして通年地域と関わるスペースがKAPLです。はじめからスペースがあったのではないというベクトルを再確認すると共に、今後どのように活動を展開していくか考えられた機会になりました。

yashiro8のオカザキさんありがとうございました。



以下告知文章↓



(タイトル)
東京アートポイント計画/墨東まち見世2010

『町のアートスペースについて、話そう』座談会 開催

(本文)
yahiro8のオープンに先駆けて、オルタナティブスペースや、町のアートスペース、アトリエ、スタジオなどを運営している方々を招き、スペース運営者たちによるざっくばらんな座談会を開催します。
拠点でどんな活動をされているか、どうして立ち上げたのか、続けていくうえで大変なこと、今後取り組んでいきたいことetc、さらに町とスペースとの関わりや、アートにできることなど、ざっくばらんに話していきます。スペースの運営に携わっている方も、そうでない方も、ご興味のある方、お気軽にお越しください。

スペース運営者:参加予定者

中野区東中野  RAFT  来住真太 http://www.purple.dti.ne.jp/raft/

行田市 RUSK 野本翔平 http://gyoda.exblog.jp/

越谷市 KAPL 浅見俊哉  http://kapl.exblog.jp/

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文京区千駄木 Brick-one 熊谷乃理子 http://www.brick-one.com

墨田区 八広 yahiro8 オカザキ恭和     http://yahiro8.seesaa.net/

日時 2010年10月23日 土曜日  PM13:30~15:30目安に終了
予定 *途中入退場可
会場   yahiro8
墨田区八広4-10-1 http://yahiro8.seesaa.net/

参加費:無料

問合せ・予約
E-mail yahiro8@ac.auone-net.jp
TEL /FAX 03(6759)0945
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by shunya-asami | 2010-10-30 17:07 | アートレポート | Trackback | Comments(0)
広がるコピアートワークショップ『影撮』!!~横浜美術大学編
横浜美術大学の執行君が学園祭でコピアートを使ったワークショップを開催!

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http://outsider696.blog113.fc2.com/blog-entry-57.html#cm

2010年7月に埼玉県三郷市で行ったワークショップでスタッフとして参加してくれた執行君が、今回主催になってワークショップを実施してくれたのです。

いろいろな場所で実践が行われれば行われるほど、コピアートの可能性が見えてきます。




私もコピアート関連のワークショップを年内に2回行う予定です。

11月に埼玉県草加市、12月に長野県で行います。

詳細が決まり次第また告知させていただきます。






コピアートプリントワークショップ関連リンク集

・時間をつかまえるワークショップ『時撮‐tokitori』(2010.7:三郷市文化会館)
http://asaworks.exblog.jp/11763347/

・SMFワークショップコレクション『コピアートで風の回廊をつくろう』(2009.11:北浦和公園)
http://asaworks.exblog.jp/10667312/

・「現代アートって何?」ワークショップ(2009.9:岡山県立美術館)
http://asaworks.exblog.jp/10750768/
http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/kenbi/workshop.html

・多摩地区図画工作研究会(2009.8)
http://asaworks.exblog.jp/10165155/

・越谷コミュニティセンターアートイベント『空のあるまち・5』(2008.8)
http://www.tobuasahi.co.jp/080808/0201.html

・KAPL2009年7月の企画展「ワークショップ展」(2008.7)
http://kapl.exblog.jp/11457022/

・イオンエコサンデーにてワークショップ『呼吸する風・関連企画』(2008.1)
http://asaworks.exblog.jp/9188694/

・「コピアートを使った写真表現の可能性」第47回大学美術教育学会高知大会発表原稿
http://asaworks.exblog.jp/9825929/

・メディア掲載歴など
http://asaworks.exblog.jp/7236819/

・コピアートプリントを用いた作品『呼吸する風』イオン越谷レイクタウンKAZEに常設展示
http://asaworks.exblog.jp/8771920/




検索ワード
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by shunya-asami | 2010-10-19 20:05 | フォトグラムWS展開編 | Trackback | Comments(0)
「5750分展Ⅱ-美術教育は生きているか-」 まとめレポート
『5750分展Ⅱ-美術教育は生きているか-』

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「5750分展」は美術教育を美術教師だけでなく、職業や年齢関係なく、「みんなで考えようよ!」というアクションである。
なぜ美術教育をみんなで考える必要があるのだろうか?現在、美術教育が抱える閉塞感や閉鎖的な風潮と同じくして、美術が特定の人だけのものとなっている状況を、美術教育を切り口としてみんなで様々な視点から意見を出し合うことで「何か突破口が見えてくるのではないか」と考えたからだ。


1:はじめに5750分とは?

「5750分」これは何の数字でしょうか?

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実は現在の中学校3年間で学ぶ美術の時間である。日にすると約4日間。
皆さんはこの数字を多いと感じるでしょうか、少ないと感じるでしょうか?
各教科の授業時数は文部科学省が定める学習指導要領で決められている。学習指導要領とは、学校現場で行われる教育活動の指針で、平成24年度から行われる新たな習指導要領では、中学校3年間で行われる美術の時間は週に1時限(1年生は1.3時限)に定められている。1時限は50分、3年間で115時数なので合計すると5750分が、美術の時間ということになる。(参考までに英語は21000分)。

2:5750分展の内容

2009年に始まり2回目の開催となる2010年は、『5750分展Ⅱ-美術教育は生きているか-』と題し、「作品公開制作」、「美術教育座談会」、「街頭インタビュー」の3つから美術教育を考えた。KAPL(コシガヤアートポイントラボ・以下KAPL)では8月7日~8月10日、埼玉県立近代美術館では8月29日に行われた。

(1)作品公開制作
 KAPLでの4日間、現役美術教師、アーティスト、現役大学生が美術教育の時間を体で感じながら公開作品制作に挑んだ。

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(2)美術教育座談会
美術教育座談会では、美術教育について自由に語り合える場をKAPLで4日間毎日約2時間設定した。参加者は毎日約20名で、中学校の美術教師はもちろん、高校の美術教師、大学教員、アーティスト、美術館職員、学生、NPO関係者、地域の方、現役の小学生や中学生とその保護者なども集まり、現在教室で行っている美術の授業紹介、生徒の作品鑑賞会などからそれぞれ感じている美術観、美術教育観を発表し合い、それぞれの立場から美術教育の価値、意義、役割、問題点や可能性を発言し合う場になった。

埼玉県立近代美術館では、35名の参加者と『理想の美術の授業ってどんなのだろう?』『わくわくするときはどんなときか?』『アイデアの出し方』について小グループに分かれてディスカッションを行った。

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(3)街頭インタビュー
さらに、越谷市の街頭でインタビューを行った。

質問は

「Q1:美術は好きですか?」(はい:いいえ=79:14)、

「Q2:美術教育は必要だと思いますか?」(はい:いいえ=72:8)、

「Q3:あなたの美術教育を教えてください」と道行く人約100名に尋ねた。
「美術はおもしろくやるものだから好き(10歳・男性)」「将来役に立たないからいらない(14歳・男性)」「美術以外の教科は先生の指示通りやるだけだった。美術は自分で思い通りに出来た唯一の時間だった(20歳・女性)」「お互いを認め合うことが美術ではできるのではないか(25歳・女性)」「あまり美術の時間のことは覚えていないが今、絵を描いている(75歳・男性)」といった言葉を聞くことができた。

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そして、5750分展Ⅱのフィナーレには、「普段美術に関わることの少ない方、自分には関係がないと思っている方にもう一度考える機会を持ってもらえるように、みんなで歌つくって歌おう!」というミュージシャン大澤加寿彦の着想から、会場にいる参加者から出た意見とKAPLで行われた座談会、街頭インタビューで得られた言葉までが盛り込まれた曲を制作し皆で歌いあって5750分展Ⅱは幕を閉じた。


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3:参加者の言葉

(1)廿楽紘子(中学校教諭-5年目)
現在、美術の授業数は5750分。この時間で一体何ができるのか。私たちがこの5750分を“体験”することで、美術教育と向き合おうと考えたのがこの展覧会の始まりだった。街頭インタビューでは、「美術教育」に対して道行く人(老人から中高生にいたるまで)の意見を訊いた。普段、美術を意識して生活しているわけではない人から様々な話をきけたことは、とても刺激になった。美術教育が抱える問題に、美術教員同士の連携が図りづらいことがある。美術教員は各学校に1人しかいないことが多く、小中高間はおろか、中学校同士でも他の教師との意見交換がしづらい。そんな中、5750分展で多くの人の考えに触れたことで自分の美術教育に対する認識を再構築し、日々の取り組みへの原動力にできた。何よりも一緒に活動してくれる仲間はとても心強く、励みになっている。

(2)山口愛(中学校教諭-1年目)
 5750分展に参加したのは、美術教師として勤め始めて半年が経った時だった。参加して主に3つのことを感じた。1つは、美術教師同士の繋がりの大切さである。作品を会場に展示し、ベテランの先生の生徒の作品への意見は授業の改善点の発見になった。2つ目は、制作者の悩みと喜びである。4日間の公開作品制作で私は2日間「何を作るか」について悩んだ。思うように進まない自分の制作に、学校現場の生徒の悩みや苦しみを痛感した。3日目何とか制作し始めた自分に、来場していた女の子が「同じことをやりたい」と言った。制作方法を教え、並んで制作していた瞬間、これが教育の原点であり理想なのではないかと思った。最後に、美術の重要性である。4日間で作品を完成させることは出来なかったが、自分の作品について深く考えることが出来た。作品制作には、締め切りはあるが明確なゴールはない。自分がその作品を納得する形で完成させられたかどうかが自分の成長に繋がる。美術は学校で学ぶ教科の中で、評価を越えて自分の成長を実感できる教科でもあると思った。美術の重要性を教師、制作者側から身をもって感じた4日間であった。

(3)渡辺範久(公務員)
今回5750分展Ⅱに参加して、「夢中で作品を作ると、完成した時に達成感を得る。そしてその体験が自分への大きな自信につながる。」そんな当たり前の事を考えさせられた。私は美術教育に携わる人間ではないが、会場に展示された小さな工夫や丁寧に仕上げられた作品はそれこそ大人顔負けであり、子供達が作品を完成させた時、どれだけ誇らしげだったかと想像するのは難しくない。日本人は発言する事に遠慮をする傾向があり、それは大きな集団になるほど顕著であると思う。職業の枠を越えた議論や普段言えない小さな声を拾い集められるのはこうした個人レベルの取り組みだからこそ出来るのだと感じた。そして、誰もが意見を気軽に交わせる場や取り組みにこそ明日を切り開くヒントがある気がする。

(4)田中康裕(高等学校教諭-)
 5750分展で中学校の先生と交流しお互いの現場の様子を共有することができた。中学で美術教育の授業が減れば、その後の子供たちを引き受ける高校はどのように対応すればよいか、中高一貫校を作って効果的な教育を志向しているところもあるかと思うが、私はそれよりも小、中、高の緩やかなネットワークで子供たちを育てていく方がより多くの学校でより豊かで効果的な教育ができるのではないかと私は期待する。今はこういった取り組みをし、お互いの現場を知ることが第一歩なのかもしれない。中学の先生の真摯な取り組みに教えられることがとても多い取り組みだった。

(5)清水絢子(学生)
 5750分という時間を聞いたとき、なんて短いのだろうと感じた。この取り組みに参加して、生徒の立場に立っていろいろな先生の授業を追体験できるので教師を目指す学生として、とても参考になった。また美術教育座談会では、美術に携わる人はもちろん、それ以外の人からの意見も聞くことが出来、様々な立場の方の意見を基に、柔軟に美術教育について考えられる可能性を感じた。
 

4:5750分展Ⅱを終えて

5750分展の目的は、美術教育に関わる特定の人達だけでなく、広く様々な人の意見から新たなアイデアを生み出したいというものだった。そのアイデアは閉塞感や閉鎖的な風潮を突破できるものだと信じている。美術教育の問題を美術教育に携わる人間だけで考えてしまっている。それがとても大きな問題なのではないかと思う。タイトルを「美術教育展」などではなく、誰にでも流れている時間から美術教育の時間を抽出した「5750分展」という名前にしたことも「美術教育??俺には関係ないや」という人にこそ考えてほしい、その人の言葉を聞きたいという願いからだ。今後、美術に携わる人にしか届かない、伝わらない「言葉」でしか話せなくならない様、日々研鑽しアクションを続けていきたい。



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(SMF2010活動記録集『交差する風・織りなす場』掲載記事)



関連リンク

●5750分展関連ページ集




以下企画概要



かつて、
あなたが受けた「美術教育」を思い出してください…
そして、現在の「美術教育」を感じてください。


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『5750展Ⅱ―美術教育は生きているか―』

プログラム1:現役美術教師やアーティストが5750分を使って公開制作します !

■「5750分展Ⅱ」公開制作+美術教育座談会

現役美術教員やアーティストが5750分を使って会期中公開制作(ライブペインティング)や街頭に繰り出し、街を行き交う人
に「美術教育」について尋ねるアートインタビューや座談会を開催します。入場無料 ! 出入り自由 !
●参加者: 廿楽紘子・鈴木眞里子・山口愛・柴直子・浅沼奨・柿本貴志・大澤加寿彦・渡辺範久・浅見俊哉 他多数
●会期: 8月7日(土)・8日(日)・9日(月)・10日(火) 10:00~20:00
●イベント : 会期中毎日14:00~16:00「美術教育座談会」を開催します。 
●会場 : KAPL(コシガヤアートポイント・ラボ) 埼玉県越谷市北越谷5-9-27(東武伊勢崎線 北越谷駅 東口下車 徒歩5分)http://kapl.exblog.jp/




プログラム2:美術教育を多角的に捉えるシンポジウム+ ワークショップ開催 !

■「5750分展Ⅱ」シンポジウム+ワークショップ

「美術教育」は特定の人だけのものではありません。今を生きる「美術教育」を多角的に考えられるシンポジウムとワーク
ショップを開催し、参加者全員で「美術教育」を考える機会をつくります。是非お気軽にご参加ください。
事前申し込み不要 ! 入場無料 !
●提案者 : 大澤加寿彦(アーティスト)・鈴木眞里子(まちアートプロジェクト代表)・山口愛(コミュニケーション漫画家)
●会期 : 8月29日(日) 10:30~16:30 埼玉県立近代美術館 2 階講堂 入場無料
●タイムテーブル:
第一部10:30~12:30「美術教育」で話す! ( 美術教育をテーマに参加者皆で話し合うプログラム)
第二部13:30~16:30「美術教育」で遊ぶ! ( 美術教育をモチーフに様々な遊びを通し、改めて美術教育を考えるプログラム)
●会場 : 埼玉県立近代美術館 2階講堂 埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1(JR京浜東北線 北浦和駅下車 徒歩5分)


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各プログラムとも事前申し込みは不要です。お気軽にお立ち寄りください。

平成22 年度 文化庁「美術館・歴史博物館活動基盤整備支援事業

主催:「交差する風・織りなす場」実行委員会 共催:KAPL「5750 分展」実行委員会/MAP(まちアートプロジェクト)
問い合わせ:埼玉県立近代美術館内「交差する風・織りなす場」実行委員会事務局 tel:048-824-0110 / e-mail:SMF.info@artplatform.jp
またはdejivu04●yahoo.co.jp (●を@に直してお送りください。)/ 090-9318-7780(浅見)まで。


~展覧会によせて~

あなたの「美術教育」を教えてください…。
「5750分」これは何の数字でしょうか?
実は現在の中学校3年間で学ぶ「美術の時間」なんです。
ちょっと思い出して下さい。あなたの中学校の「美術の時間」。美術をとても楽しみにしていた人、息抜きの時間にしていた人、退屈で仕方なかった人も、あなたが学校で受けた「美術の時間」のことを思い出してください。―美術はどんな授業でしたか? 色の勉強、友人や郷土の風景を描いたり、粘土で陶器をつくったり―美術をどんな先生に習いましたか? 変な先生? 手先が器用な先生? やけに熱い先生? 何も教えてくれなかった先生? そしてその「美術の時間」に、どんな学びがありましたか?
 「5750分展」は、2009年8月からはじまり、今年で2回目となる「美術教育」をモチーフにした誰もが参加できるアクションです。冒頭にも書きましたが、文部科学省が告示する平成24年度から行われる「新学習指導要領」(学校現場で行われる教育課程の基準)では、中学校3年間で行われる「美術の時間」は週に1時限(1年生は1.3時限)に定められています。1時限は50分、3年間で115時数ですから合計すると「5750分」が、「美術の時間」というわけです(参考までに英語は21000分です)。「5750分」、この数字を多いと感じるでしょうか、少ないと感じるでしょうか。
 私達は今回の企画でこの「5750分」を使い、「美術教育ってなんだろう?」「美術教育でなにができるだろう?」と皆で話し合い、行動し、模索したいと考えています。    

「5750分展」発起人: 浅見俊哉



~企画者・パネラー紹介~


●浅見俊哉(あさみしゅんや) アーティスト・美術教師
日々「アートとは何か?」を模索する。2006年7月には、鑑賞教育で注目を集めた展覧会「Mite!おかやま」(岡山県立美術館)に作品を出品、2007年9月には、NY・A-forest-Galleryに作品を出品。2008年7月、「KAPL―コシガヤアートポイント・ラボ」を設立し、月に一度のペースで展覧会を企画する。2009年8月には「美術教育」をテーマとした企画展「5750分展」を開催。現役美術教師が中学生に教えている5750分で作品制作、美術教育に挑んだ。アクセス : http://asaworks.exblog.jp/

●鈴木眞里子(すずきまりこ) まちアートプロジェクト代表・美術教師
大学時代に作品制作・展示をしていく中で,美術館やギャラリーでは作品は興味のある人にしか見てもらえないという疑問が生じる。「アートはもっと身近に楽しめコミュニケーションがうまれるもの」をキーワードに気軽に誰でもアートを感じられるような作品展示やワークショップ、シンポジウムの開催など地域に根付いた活動を展開。大学院では「地域との連携による展覧会を活かした美術教育実践の開発」の研究を進める。美術を通して伝え合う力が高まり、自己と他者および社会との関係性について考えることのきっかけとなるという視点から美術や美術教育と携わっている。アクセス : http://townart.exblog.jp/

●山口愛(やまぐちあい) コミュニケーション漫画家・美術教師
大学在学時は美術教育を学びながら作品制作をし、卒業制作展示では埼玉県立近代美術館にて漫画作品を展示。また、2006年からまちアートプロジェクトに所属し、4年に渡り作品出展者として活動。地域の商店の店主を主人公にした漫画を制作。大学院では美術教育における漫画の活用をテーマに研究。現在は埼玉県越谷市の美術教諭として美術教育を実践しながら、漫画の持つビジュアル・コミュニケーション力で多くの人と関わっていきたいと考えている。

●大澤加寿彦(おおさわかずひこ) アーティスト
ギター講師である父の影響を受け、中学生から音楽を始める。下北沢を中心に活動し、2008年にまちアートプロジェクトに参加。東京都、埼玉県、長野県など全国各地に活動場所を広げている。ポップなサウンドとあたたかい歌声を武器に、人々の笑顔をテーマに制作した楽曲を演奏している。また、MAPやKAPLでは音を使ったワークショップ等を行い、写真作品も出展し、幅広く表現活動に挑戦している。アクセス : http://www.myspace.com/ohsawakazuhiko


~スペース・アートプロジェクト紹介~

●KAPL(コシガヤアートポイント・ラボ)
2008年7月、埼玉県越谷市にオープンしたアートスペース。閑静な住宅地の中にある開放的な空間で月に一本の企画展を開催。誰もが主体的にアートに関われる企画を通し、「アートで何が出来るか」
を皆で考えていける機会を創造します。是非ご来場ください。

●MAP(マップ・まちアートプロジェクト)
2006年より埼玉県越谷市を舞台に、人の行き交う商店(毎年約40ヶ所)に作品を展示し、街全体を「美術館」にするアートプロジェクト。アートを通して、商店主との関わりの中で作品が生まれ、作品を
通して地域の人との関わりが生まれる。新メンバーも募集中 !


昨年度の5750展の様子はコチラ
http://kapl.exblog.jp/i22
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by shunya-asami | 2010-10-16 14:20 | 美術教育「5750分展」 | Trackback | Comments(0)
「5750分展Ⅱ」の記事が「地域創造」に掲載されました。
(財)地域創造が発行する「地域創造レター」2010年10月号№186に

夏のアクション『5750分展』が取り上げられました。http://www.jafra.or.jp/j/library/letter/186/report.php

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学校現場と地域でアートを展開させるには本当に沢山の困難がありますが、今後も双方の視点から考えていきたいと思います。

埼玉で展開されているアートはおもしろいですよー!

SMF(サイタマミューズフォーラム)
http://artplatform.jp/

5750分展関連アーカイヴ
http://asaworks.exblog.jp/i21/
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by shunya-asami | 2010-10-09 22:18 | 美術教育「5750分展」 | Trackback | Comments(0)
「暖かい」壁
2005年に制作したインスタレーション『「暖かい」壁』

2005年に起きた「耐震強度偽装事件」。

当時学生だった私は、大学のいたるところに手作りのバンドエイドを貼った。

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by shunya-asami | 2010-10-09 11:10 | 展覧会・作品:2005 | Trackback | Comments(0)
『5750分展Ⅱ-美術教育は生きているか-』レポート
『5750分展Ⅱ-美術教育は生きているか-』

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「5750分展」は美術教育を美術教師だけでなく、職業や年齢関係なく、「みんなで考えようよ!」というアクションである。
なぜ美術教育をみんなで考える必要があるのだろうか?現在、美術教育が抱える閉塞感や閉鎖的な風潮と同じくして、美術が特定の人だけのものとなっている状況を、美術教育を切り口としてみんなで様々な視点から意見を出し合うことで「何か突破口が見えてくるのではないか」と考えたからだ。


1:はじめに5750分とは?

「5750分」これは何の数字でしょうか?

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実は現在の中学校3年間で学ぶ美術の時間である。日にすると約4日間。
皆さんはこの数字を多いと感じるでしょうか、少ないと感じるでしょうか?
各教科の授業時数は文部科学省が定める学習指導要領で決められている。学習指導要領とは、学校現場で行われる教育活動の指針で、平成24年度から行われる新たな習指導要領では、中学校3年間で行われる美術の時間は週に1時限(1年生は1.3時限)に定められている。1時限は50分、3年間で115時数なので合計すると5750分が、美術の時間ということになる。(参考までに英語は21000分)。

2:5750分展の内容

2009年に始まり2回目の開催となる2010年は、『5750分展Ⅱ-美術教育は生きているか-』と題し、「作品公開制作」、「美術教育座談会」、「街頭インタビュー」の3つから美術教育を考えた。KAPL(コシガヤアートポイントラボ・以下KAPL)では8月7日~8月10日、埼玉県立近代美術館では8月29日に行われた。

(1)作品公開制作
 KAPLでの4日間、現役美術教師、アーティスト、現役大学生が美術教育の時間を体で感じながら公開作品制作に挑んだ。

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(2)美術教育座談会
美術教育座談会では、美術教育について自由に語り合える場をKAPLで4日間毎日約2時間設定した。参加者は毎日約20名で、中学校の美術教師はもちろん、高校の美術教師、大学教員、アーティスト、美術館職員、学生、NPO関係者、地域の方、現役の小学生や中学生とその保護者なども集まり、現在教室で行っている美術の授業紹介、生徒の作品鑑賞会などからそれぞれ感じている美術観、美術教育観を発表し合い、それぞれの立場から美術教育の価値、意義、役割、問題点や可能性を発言し合う場になった。

埼玉県立近代美術館では、35名の参加者と『理想の美術の授業ってどんなのだろう?』『わくわくするときはどんなときか?』『アイデアの出し方』について小グループに分かれてディスカッションを行った。

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(3)街頭インタビュー
さらに、越谷市の街頭でインタビューを行った。

質問は

「Q1:美術は好きですか?」(はい:いいえ=79:14)、

「Q2:美術教育は必要だと思いますか?」(はい:いいえ=72:8)、

「Q3:あなたの美術教育を教えてください」と道行く人約100名に尋ねた。
「美術はおもしろくやるものだから好き(10歳・男性)」「将来役に立たないからいらない(14歳・男性)」「美術以外の教科は先生の指示通りやるだけだった。美術は自分で思い通りに出来た唯一の時間だった(20歳・女性)」「お互いを認め合うことが美術ではできるのではないか(25歳・女性)」「あまり美術の時間のことは覚えていないが今、絵を描いている(75歳・男性)」といった言葉を聞くことができた。

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そして、5750分展Ⅱのフィナーレには、「普段美術に関わることの少ない方、自分には関係がないと思っている方にもう一度考える機会を持ってもらえるように、みんなで歌つくって歌おう!」というミュージシャン大澤加寿彦の着想から、会場にいる参加者から出た意見とKAPLで行われた座談会、街頭インタビューで得られた言葉までが盛り込まれた曲を制作し皆で歌いあって5750分展Ⅱは幕を閉じた。


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3:参加者の言葉

(1)廿楽紘子(中学校教諭-5年目)
現在、美術の授業数は5750分。この時間で一体何ができるのか。私たちがこの5750分を“体験”することで、美術教育と向き合おうと考えたのがこの展覧会の始まりだった。街頭インタビューでは、「美術教育」に対して道行く人(老人から中高生にいたるまで)の意見を訊いた。普段、美術を意識して生活しているわけではない人から様々な話をきけたことは、とても刺激になった。美術教育が抱える問題に、美術教員同士の連携が図りづらいことがある。美術教員は各学校に1人しかいないことが多く、小中高間はおろか、中学校同士でも他の教師との意見交換がしづらい。そんな中、5750分展で多くの人の考えに触れたことで自分の美術教育に対する認識を再構築し、日々の取り組みへの原動力にできた。何よりも一緒に活動してくれる仲間はとても心強く、励みになっている。

(2)山口愛(中学校教諭-1年目)
 5750分展に参加したのは、美術教師として勤め始めて半年が経った時だった。参加して主に3つのことを感じた。1つは、美術教師同士の繋がりの大切さである。作品を会場に展示し、ベテランの先生の生徒の作品への意見は授業の改善点の発見になった。2つ目は、制作者の悩みと喜びである。4日間の公開作品制作で私は2日間「何を作るか」について悩んだ。思うように進まない自分の制作に、学校現場の生徒の悩みや苦しみを痛感した。3日目何とか制作し始めた自分に、来場していた女の子が「同じことをやりたい」と言った。制作方法を教え、並んで制作していた瞬間、これが教育の原点であり理想なのではないかと思った。最後に、美術の重要性である。4日間で作品を完成させることは出来なかったが、自分の作品について深く考えることが出来た。作品制作には、締め切りはあるが明確なゴールはない。自分がその作品を納得する形で完成させられたかどうかが自分の成長に繋がる。美術は学校で学ぶ教科の中で、評価を越えて自分の成長を実感できる教科でもあると思った。美術の重要性を教師、制作者側から身をもって感じた4日間であった。

(3)渡辺範久(公務員)
今回5750分展Ⅱに参加して、「夢中で作品を作ると、完成した時に達成感を得る。そしてその体験が自分への大きな自信につながる。」そんな当たり前の事を考えさせられた。私は美術教育に携わる人間ではないが、会場に展示された小さな工夫や丁寧に仕上げられた作品はそれこそ大人顔負けであり、子供達が作品を完成させた時、どれだけ誇らしげだったかと想像するのは難しくない。日本人は発言する事に遠慮をする傾向があり、それは大きな集団になるほど顕著であると思う。職業の枠を越えた議論や普段言えない小さな声を拾い集められるのはこうした個人レベルの取り組みだからこそ出来るのだと感じた。そして、誰もが意見を気軽に交わせる場や取り組みにこそ明日を切り開くヒントがある気がする。

(4)田中康裕(高等学校教諭-)
 5750分展で中学校の先生と交流しお互いの現場の様子を共有することができた。中学で美術教育の授業が減れば、その後の子供たちを引き受ける高校はどのように対応すればよいか、中高一貫校を作って効果的な教育を志向しているところもあるかと思うが、私はそれよりも小、中、高の緩やかなネットワークで子供たちを育てていく方がより多くの学校でより豊かで効果的な教育ができるのではないかと私は期待する。今はこういった取り組みをし、お互いの現場を知ることが第一歩なのかもしれない。中学の先生の真摯な取り組みに教えられることがとても多い取り組みだった。

(5)清水絢子(学生)
 5750分という時間を聞いたとき、なんて短いのだろうと感じた。この取り組みに参加して、生徒の立場に立っていろいろな先生の授業を追体験できるので教師を目指す学生として、とても参考になった。また美術教育座談会では、美術に携わる人はもちろん、それ以外の人からの意見も聞くことが出来、様々な立場の方の意見を基に、柔軟に美術教育について考えられる可能性を感じた。
 

4:5750分展Ⅱを終えて

5750分展の目的は、美術教育に関わる特定の人達だけでなく、広く様々な人の意見から新たなアイデアを生み出したいというものだった。そのアイデアは閉塞感や閉鎖的な風潮を突破できるものだと信じている。美術教育の問題を美術教育に携わる人間だけで考えてしまっている。それがとても大きな問題なのではないかと思う。タイトルを「美術教育展」などではなく、誰にでも流れている時間から美術教育の時間を抽出した「5750分展」という名前にしたことも「美術教育??俺には関係ないや」という人にこそ考えてほしい、その人の言葉を聞きたいという願いからだ。今後、美術に携わる人にしか届かない、伝わらない「言葉」でしか話せなくならない様、日々研鑽しアクションを続けていきたい。



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(SMF2010活動記録集『交差する風・織りなす場』掲載記事)



関連リンク

●5750分展関連ページ集
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by shunya-asami | 2010-10-08 14:54 | 美術教育「5750分展」 | Trackback | Comments(0)
「I DE A」展出品作品紹介 KAPL
去る2010年9月25日、26日にKAPL(コシガヤアートポイントラボ)で開催された「I DE A」展に出品した作品を紹介します。


この展覧会のコンセプトは普段は見ることのできない「何か」(=私達は「I DE A」と呼ぶ)を表すこと。

その「何か」は、「作品」として他者にアプローチする時、共通の「あれ」と認識される。

それは他者と100%FIXしていないが、かすっていたり共有していたりする。

その実感を会場に満たすことを試みた。



①『風』

映像・プロジェクタ投影

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風になびく「アイコン」を連続的に撮影し映像とした。

現実に今、目に映る像を頭の中で「正しく」みようとする補正の中に「I DE A」を見出す。




(映像アップ11月25日)





②『無題』

顕微鏡・植物の葉

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その場で接眼レンズをのぞくと何も見えない。

「見えないのはどうしてだろう?」

その疑問の次にアクションを起こすかどうか。


見る為には、知る為には、理解する為には工夫をしないといけない。

その主体性こそが「I DE A」

ロバートフックは自作の顕微鏡をつくり1665年に細胞を発見。1953年にはワトソンとクリックによって、人類は自らのDNAの構造を解き明かした。


さらに詳しい内容はKAPLのブログに掲載

http://www.exblog.jp/myblog/entry/new/?eid=d0135521


KAPL9月企画展
「I DE A展」
~あれだよ、あれ。~



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会期:2010年9月25日(土)、26日(日)
時間:13:00-19:30
場所:KAPL―コシガヤアートポイントラボ/入場無料
企画:執行正繁(横浜美術大学3年)
連絡先: kapl@excite.co.jp

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by shunya-asami | 2010-10-02 11:33 | 展覧会・作品:2010 | Trackback | Comments(0)



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